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十色

十色 

十色 2012年
ヘアサロン/住宅(新築)
石川県加賀市
→十色website

構造設計:エスキューブアソシエイツ
施工:道場建設
鏡製作:坂田卓也製作所
植栽:田中美穂植物店コーヒショップ
構造・規模:木造地上2階建
建築面積:81.31m2
延床面積:138.72m2
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敷地は交通量の多い道路に面した角地で
大きな切り欠きのある五角形のとても変わった形をしていた。

東側に広がる田園風景はまるで一幅の絵のようで
私にはとても新鮮に感じられた。

お嬢さんが一人でオペレーションする美容室。
その住宅とお店は一体どんな関係であったいいのだろう。
そのときお施主さんから出てきたキーワードは
住宅とお店のそのどちらであることもいったん保留にするもののように感じられた。

別荘みたいな住宅
別荘みたいな美容室

一般的に、店舗付き住宅は
なるべく住宅のにおいが感じられないように極力分けてつくるのだけれど
せっかく近くにあるのに完全に分けるという今までの作り方は
建物をより小さく使うだけでもったいない気もする。

ただ住宅と美容室の両方に別荘の姿をイメージすれば
店の広々とした感じを積極的に住宅に持ち込んだり
逆に住宅のほっとくつろげる雰囲気をお店につなげられたり
ちょうどいいバランスでお店と住宅がお互いを引き立てあえるのではないかと考えた。

さらに
いわゆる美容室という感じより
子どもさんもおばあちゃんも
いろいろな年齢層の人がなんとなくぶらっと集まって世間話でもして帰る
そういう場所にしたいということだった。

そこで、1階に和室、2階にインナーテラスとして
機能的にも美容室と住宅のどちらも兼ねるような
中間領域を介して住宅とお店を自然につなげられるようにした。

具体的に、1階の和室は着付けに使ったり
お子さんづれのお客さんがカットの最中
お子さんを遊ばせておけるサブの待合いとして
あるいは住宅の来客が泊まることができるゲストルームとして使われている。

おばあちゃんがちょこんと腰をかけられる高さに
建物の中央部分に島のようにしつらえられた和室は
海に浮かんだ舟のようにも見える。

色は一見、その色だけで色を発しているようにも見えるけれど
他の色があるからこそその存在に気付くもの。

店舗と住宅でありながら
最後はどこか公共施設のようにも思えてきたこの建築には
さまざまな関係性が複雑にからみ合いながら一体となって
店舗にも住宅にもなかった色に見えているのではないかと思う。