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六甲山ノ上書店

六甲山ノ上書店

トコトコ 2008年
書店のある展望台(competition project)

構造設計:エス・キューブ・アソシエイツ

構造・規模:鉄筋コンクリート造 地上3階
建築面積:256m2
延床面積:315m2
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Barnes & Noblesという本屋さんがあります。
大手の書店チェーンですが、本を売るだけでなく
本のある時間や空間を楽しむ場所ごと提供する本屋さんで
店内のあちこちにゆっくりくつろげるソファがあり
じっくり品定めしながら本を選ぶことができます。
本を選ぶときお目当ての本があらかじめ決まっているお客さんは別として
解説やあらすじに目を通すのには時間がかかります。
そのためにたっぷりと空間を提供するこの本屋さんのやり方は
一見とても遠回りなようですが
お客さんにとっては本に接する時間が増え、いろんな本に触れるきっかけとなります。
何より本のある場に対する幸せな経験と記憶が、次の購買へとつながる
そんな循環がここにはあります。

この景色に出逢ったとき
そこに立ちどまってゆっくりと時間を過ごしてみたいと思いました。
これまでの展望台は、まるでパンダを見るときのように
一回りしたら納得してしまって、二度は来ない。
それがどうしてなのか、と考えるところから始めました。

「第三の家」をコンセプトにしたコーヒーショップのコーヒーを
本にかえてみたらどうだろう。
そしてより積極的に魅力ある外の風景と関わった環境を用意して
それぞれのためのとっておきの風景を求めて
二重らせんのように二層分の気積をはらみつつ上昇する建築。
山の上にあるもうひとつのリビングを訪ねるかのように
くるりくるりとその景色を探しつつソファにもぐりこみ、心ゆくまで本を楽しむ。
とっておきの環境だからこそ、本と過ごす体験がまるごと好きになる
そんな風景ができれば、と考えました。